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旅をふり返って

雄大な景色、自然の造形美など物凄いスケール感で味わうことができた今回のブルーマウンテンの旅。自然を静かに楽しむことができ大満足でした。

 

また印象に残ったのは、人々のフレンドリーな礼儀正しさです。大きな荷物を持って移動する私たちを自然に助けてくれる人たちに幾度となく出会いました。オーストラリアの田舎町には信号機があまりなく、歩行者優先が徹底されています。車が必ず停止して通してくれるため子どもとの町歩きも気が楽でした。一度だけ私たちが渡ろうとしている時に、入ってきかけた車がありましたが、道路の反対から来た青年が、"Heeeey!!!!!! Asshole!!!!"(どこ見て運転しとんねん、このあほボケかす〜!!!くらいの感じ)と運転手を叱り飛ばし、すれ違いざまに私に「(子どもの前で汚い言葉を使って)ごめんね。」と微笑んでくれました。タクシー乗り場で困っていると、何も言わずに電話をかけてタクシーを呼んでくれる人に二人も出会いました。歩道で子どもや私に道を譲ってくれる方も多くいました。そんなことがあるたびに「あんな風に人に親切にできるようになりたいもんやね」「先に子供やお年寄りを通してあげられるのって素敵やんね」と子どもたちと話すのは、「こうしたらだめ」「これはいけない」と注意するのに比べて本当に気持ちがよく、子どもの心にもストレートに届くのを感じました。

 

日本で子連れで出歩く時には、他の人に迷惑をかけないかと気を使い、実際に先回りで子どもに色々と注意をしたり、周囲に謝ることが多く、実際、苦情を言われたりして気持ちが疲弊することもあります。でも今回オーストラリアでは、マナーの役割が全体の和を乱さない、年長者や他の人に迷惑をかけない、ではなく、小さな存在、助けを必要としている存在を守ることにあるんだなと思いました。子どもや母親に向ける眼差しの温かさのおかげで気楽にいろんなことを楽しめた旅でした。

 

もう一つ印象に残っているのは、2日目の夜に入ったベトナム料理店です。人気店らしく、地元の方や旅行者で賑わっており、私たちも大きなテーブルに相席で座りました。日本人かな?という女性やベトナム人かな?という青年たち、ヨーロッパからの旅行者、中華系の家族。みんながそれぞれに、ワイワイガヤガヤやっています。親子三人で大阪弁を話す私たちに気を留める様子はなく、でも、水を手渡したり、食器を移動してお互いに食べやすいように気遣いあう。誰がそこにいてもよく、誰もがいやすいようにと少し気にかける。そのレストランの雰囲気が美しいなと思ったのです。私たちは私たちのままここに居てもいいんやなぁ、という気安さとさっぱりとした配慮に溢れる空気になぜかホッして、お酒も飲んでいないのに胸がポッと温かくなった旅のもう一つのハイライトでした。

 

ブルーマウンテンへの旅、いかがでしたか。シドニー行かれる際は少し足を伸ばしてオーストラリアの大自然と田舎町のほっこりとした風情を楽しみにいらっしゃるのも良いのではないかなと思います。