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ミュリエルの結婚

今年は訪豪の年なので、少しずつオーストラリアについての情報をアップしていきたいと思います。

 

今日はオーストラリアの映画のお話。オーストラリア映画、というと、真っ先に頭に浮かぶのは「クロコダイル・ダンディ」かもしれません。私も最初に見たオーストラリア映画はそれだったような気がします。

 

ただあのオーストラリア自体を半ばギャグにしたような映画以外で、最初に見たオーストラリアの映画といえば、この「ミュリエルの結婚」ではなかったかと思います。

 

大学でアメリカ留学中に仲良くしていたアイスランド人のグゥドルンと一緒に見ました。英語がまだへたくそだった私たちは、上映スケジュールに書いてある" trailer"(予告編)を、映画のタイトルと勘違いして、「トレイラー、2チケットプリーズ」とやって、カウンターのおばさんに変な顔をされたのが今でもいい思い出です。何度言っても、「トレイラー」という映画のチケットを売ってくれないので、仕方なく選んだのがこの「ミュリエルの結婚」でした。

 

地味で冴えないミュリエルが様々な経験を経て、人から見た自分ではなく、ありのままの自分を受け入れ自立していく話ですが、ハリウッド映画のような派手さや軽妙さというより、ミュリエルのダメさ加減、家族のだらしなさ、父親の俗物ぶりなどが滑稽ながらも、ものすごくリアルで生々しく、悲しい面も直球で描いています。そこがあまりいいカッコしないオーストラリアらしいな、と今振り返って思います。ミュリエルを演じたトニ・コレットはその後、ハリウッド映画でも活躍するようになり「シックス・センス」で男の子のお母さん役や、キャメロン・ディアスと共演した佳作「In her Shoes」でもキャリアウーマンを演じていて、全く印象が違うので驚きました。1994の作品で随分古いですが、おすすめです。